ブログ
Blog
Blog
こんにちは。院長の稲村です。
今日は、とある事情で現在当院で面倒を見ている子猫ちゃん3頭の里親を募集いたします。
現在、生後約25日くらいでしょうか。乳歯がちょびっと生えてきてまして、もう少しで離乳食を開始します。
自然界では、子猫に乳歯が生えてくる=お母さん授乳すると痛い=授乳拒否=離乳、となります。
子猫の授乳は大変な作業ですが、当院スタッフ一同、交代でやってくれて子猫はしっかり発育してます。
ちょっと話が逸れますが子猫保護シーズンですので、乳歯の生えていない授乳期の子犬子猫を保護した際の注意点を説明します。
仮に夜遅くに乳歯の生えていない子犬子猫を保護したとして、一番大切なのは保温です。え?食事じゃないの?と思うかもですが、授乳は朝まで待てますが、体が冷えるとすぐに命に係わる状況になります。
保温のコツは、冷えないことはもちろんとして、温めすぎないことも大切です。新生児(乳歯の生えていない授乳期の子犬子猫)は体温を維持することも、体の熱を逃がすことも苦手です。つまり体温の調節能力がないのです。理想は体温くらいの温度で保温です。お母さんに抱きかかえられてる温度ですね。電気毛布を最弱にしてその上にフリースのせてるくらいが丁度いいかな。電気毛布がないなら使い捨てカイロでもいいし、ペットボトルにお湯入れて即席の湯たんぽでもいいですね。カイロや湯たんぽをタオルで巻いて、さらにその上にフリースです。くれぐれも熱くならないように、そして冷えないようにしてください。
次に大切なのは授乳ですが、手元に哺乳瓶やミルクがなくても、絶対に缶詰などをドロドロにして給餌したりしないでください。近くのドンキ(深夜までやってる)でミルクと哺乳瓶買うか、朝までは水やスポーツドリンクをスポイトで飲ますなどでつないで朝一で近くのホームセンターでミルクと哺乳瓶を買うか、です。とりあえず脱水しないように水分は与えるようにしましょう。スポイトでいいです。スポイトなんて家に置いてないわ、という場合はコンビニ行けば子供用のお菓子で粉に水垂らしてグミにするみたいなお菓子には、水垂らすためのスポイトついてます。袋の説明書みて買ってください。そういうの急ぎで買って水分を与えつつ朝までつないでください。
ところでなぜ新生児にフードはダメなのでしょうか。
まず食事の一般論ですが、本来、食事というのは体にとっては異物であり毒なんです。それをエネルギーと免疫力を使って錬金術を行い自分の体で利用できるように変化させることが消化であり代謝なんですね。つまり食事とはそれなりに高度な能力が必要な行為なんです。
①異物を取り込み
②歯と唾液で荒く砕いて
③胃酸でドロドロにして
④腸の中で胆汁と膵液と腸液でさらにドロドロにして(この時炭水化物、タンパク質、脂肪に印をつけます)
⑤肝臓に運び、炭水化物や脂肪、タンパクなどに分離し精製し
⑥血液に乗せて全身に運ぶ
こういった複雑なことを胃腸や肝臓がおこなっているんですね。さっきも言いましたがエネルギーも免疫力も使う、そこそこ大変な作業なので食事をすると体はけっこう疲れます。なので体調が悪いときは食欲がなくなるのです。
乳歯の生えていない子犬子猫は消化代謝の能力が弱く、物を食べさせても上手に消化したり利用したりできません。消化したり利用できない食物は体には毒になります。それの最たる例は犬にとっての玉ねぎやチョコレート、猫にとってのニンニク、ユリ科の植物、アロマの成分、下戸の人にとってのお酒、草食動物にとっての動物性タンパクなどですね。いずれも体が消化代謝利用できないものを摂取した場合に体に有毒な事象を引き起こす例です。命にかかわることがある中毒を引き起こしますが、乳歯の生えていない子犬子猫にフードを食べさせるというのは上記と同じで中毒物質を摂取させることと同義です。絶対にやめましょう。
乳幼児がミルクしか飲まないのは、ミルクしか消化や代謝ができないからなんですね。
で、ある程度体が成長してきて代謝能力が高くなってきたぞ、という合図が乳歯です。
乳歯が生えてきたら離乳の合図ですので、これから数日かけて離乳食をスタートしていきます。
この写真の子はオスで、一番成長が早く元気です
下の写真の子はメスで一番小柄です。ちょっと眠そうですね。
下の写真の子はメスで、体重は2番目です。
みんな元気で順調に育ってます。
興味のある方はお気軽にお問い合わせください。