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中高齢ウサギの手術

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怖いですね~、恐ろしいですね~

ウサギの手術をするのはやはり勇気が要ります。

これは飼い主さんだけじゃなく僕たち獣医師もそうですね。

うさぎの手術が難しい理由はいくつかありますが、以下の2点に尽きると個人的には思ってます。

①うさぎの健康状態把握が難しい

②うさぎは痛みに弱い

 

「うさぎの麻酔は危険だ」、飼い主さんでも獣医師でも、誰もが一度は聞いたことがあるフレーズです。

漠然と「(犬や猫に比べて)うさぎの麻酔は危険だ」と分かっていても、なぜ危険なのかちゃんとした説明を聞いたことある人っています?僕は聞いたことないです。少なくとも納得いく説明を聞いたことはないです。

きっと、犬や猫と同じ感覚で手術すると、うさぎの手術はうまくいかないことが多いから、経験的に言われていることなんだと思います。

これは個人的見解ですが、と前置きして、危険なのは麻酔よりも手術(=体を切る)だと思うんですよね。

麻酔をかけるだけ(つまり切らない場合)なら、犬も猫もうさぎもハムスターも他の動物も、リスクはあんまり変わらないように感じてます。ただここで「切る」という行為が加わると、うさぎの場合リスクが跳ね上がるように感じてます。うさぎに限らず草食動物全般ですかね。

そしてそれは何故か。

草食動物ってのは、常に狙われてるんです。肉食動物に。

草食動物の群れの中で、狙われるのは体調が悪くて逃げ足が遅くなってる奴なんです。

だから、草食動物は体調がちょっと悪いくらいではまず見た目じゃわかりません。

ほんと、ギリギリまで隠してます。

つまり理由①なんです。具合が悪いことがわからない。具合が悪い動物に手術をするともちろん不幸な結果になる確率は高くなります。犬や猫ならそれを未然に防げるわけですが、うさぎはそうはいかないのです。

そして次に、草食動物は基本的にケガをしない。狩りをしないから。牙もないから。

ケガをするときは肉食動物に捕まった時(=死ぬとき)なもんで、治癒能力だったり痛みへの耐性だったりが、やはり弱いです。これ理由②ですね。

しかし、裏を返せば、この2点の対策をしっかりすれば手術の成功率はあがります。

 

写真は先日、子宮癌と乳腺腫瘍を切除したレッキスちゃん。

事前の状態把握を検査だけじゃなく毛づや、頭の高さ、目の大きさや形、耳の角度など、検査に反映されない情報を総合しての状態把握、加えて、写真のごっつい機械を使って痛みを軽減する手術(糸での結紮が不要)、術前術後の徹底した痛みのコントロール、これらでなんとか手術を乗り切れました。

後は転移が起こらなければ万々歳。

今後2年間は経過観察です。

 

 

 

 

 

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